ダークさとヘヴィさ、パワフルでありながらメロウな一面を漂わせた作品
『Systematic Chaos(システィマティック・ケイオス)』はアメリカのプログレッシヴ・ヘヴィメタルバンドである「Dream Theater(ドリーム・シアター)」が2007年に発表した9枚目のアルバムです。
前作までの所属レーベルを離れ、新たにロードランナーへ移籍しての第一弾アルバムです。「統制された無秩序」という矛盾を含むアイロニカルなタイトルがいかにもドリーム・シアターっぽく、タイトルにちなんだ対比のあるアルバムアートワークもなかなか良い塩梅。1曲目と最後の8曲目は「In the Presence of Enemies」という同タイトルの続き物でpart1、2と二つに切り分けられていて、その間にバラエティに富んだ楽曲が挟まっています。前作の爽やか路線に比べてダーク、ヘヴィ、パワフルな雰囲気が目立ちます。しかしながら楽曲のインパクトとしてはどれも控えめで、一度聴いただけで印象に残る名曲が少ないのも事実。
Dream Theater 9thアルバム『Systematic Chaos』(2007年)
<アルバム曲目>
01. In the Presence of Enemies, Part I
02. Forsaken
03. Constant Motion
04. The Dark Eternal Night
05. Repentance
06. Prophets of War
07. The Ministry of Lost Souls
08. In the Presence of Enemies, Part II
<メンバー>
Vo:ジェイムズ・ラブリエ
Gt:ジョン・ペトルーシ
Ba:ジョン・マイアング
Key:ジョーダン・ルーデス
Dr:マイク・ポートノイ
<リリース情報>
・プロデュース:マイク・ポートノイ、ジョン・ペトルーシ
・スタジオ:アヴァタースタジオ
・リリース:2007年
システマティック・ケイオス – Wikipedia
個人的レビュー・その他もろもろ
1.ダークさとヘヴィさ、実験的なアプローチがアクセントとして効いている
このアルバムの特徴として感じたのは、従来よりも実験的なアプローチが楽曲に盛り込まれている点です。ドラムのマイク・ポートノイがコーラスで参加するクイーン的アプローチがあります。ポートノイは歌上手くないから何となく微妙な気がします。彼が強引にやりたいって言ったんじゃないかと予想されます。
#05「repentness」のPVには元MEGADETHのベースである、デイヴィッド・エレフソンがゲスト参加、ギターソロがとてつもなくカッコいい。テクニカルだけじゃなくて、こういうスローでエモーショナルなギターソロをもっと聴きたいです。
2.一聴しただけでの神曲が無いが、段々良さが出るスルメ系アルバム
一聴しただけだと微妙で、心掴まれる神曲はないように思われました。しかしながらずっと聴き続けていると良さが出てくるというか、コレはコレでアリなアルバムなんじゃないかって気になってきます。
というのも、前作である8th「Octavarium」が個人的名作過ぎたため、霞んでしまうってのが理由だと思います。そして今作のヘヴィでテクニカルで攻撃的な作風って目新しさが無いってのも理由ですかね。
ただ今作は、ミドルテンポのしっとりヘヴィ系の曲が幾つかあり、どれも好みでした。
3.ペトルーシの書くファンタジー系の歌詞が苦手笑
個人的な意見ですけど、彼の書くファンタジー系の歌詞って苦手なんです。ちょいダサというか、、、。なんかスターウォーズ系でドラゴン出てきました!みたいな歌詞より、彼は人生ソング系の歌詞や難解な歌詞を書く方が向いているって思うんです。
#01,08の「 In the Presence of Enemies, Part I&II」に関しては、「ダークマスター!」と言われても、何か日本人にはピンと来ない文化の違いを感じてしまいました。
個人的オススメ曲
#01. In the Presence of Enemies, Pt. 1
#02. Forsaken
イントロからのギターがめっちゃカッコイイ。ダークさとヘヴィさの中で目立つギターが良い。ラブリエのヴォーカルも曲調に合っている良曲。
#07. The Ministry of Lost Souls
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