Symphony X(シンフォニー・エックス) 9thアルバム『UNDERWORLD(アンダーワールド)』(2015年)

プログレ・メタル

ダンテの神曲からインスパイアされた好盤の完成。

『UNDERWORLD(アンダーワールド)』はアメリカのプログレッシブ・ヘヴィ・メタルバンド「Symphoner X(シンフォニー・エックス」が2015年に発表した通算9作目に当たるスタジオアルバムです。
Symphony X(シンフォニー・エックス)は活動20年を超えるアメリカのプログレッシブ・メタルバンドです。
中心人物であるギターのマイケル・ロメオはその速弾き超絶テクニックとクラシカルなプレイスタイル、そしてその太めの風貌から、以前はイングヴェイ・マルムスティーンのフォロワーとみられる事もあり、僕が知っている彼らはどちらかというとその印象のままでした。これまで中々ちゃんと聴いたことが無かったんですが、ふと聴いた新曲が非常に良くて購入してみました。初期のネオクラシカル系の雰囲気が少し苦手だったというのもあり、ちゃんと聴くこともなくここまで来ていたんです。
しかしながら現在ではプログレ・メタルとして頭角を現し、ドリーム・シアターとツアーを行ったりと、今現在も精力的に活動している模様。
本作品はリーダーのマイケル・ロメオがイタリアの詩人ダンテの「神曲」からインスパイアされたテーマを基にしているようですが、この「神曲」を知らずとも歌詞含めて難解な所は無かったです。ネオクラシカルなギターとヘヴィさが程よい純粋なプログレ・メタルといった所ですね。あとマイケル・ロメオって凄いカッコいいリフ弾くなぁと思いました。プログレ嫌いのメタルファンにも問題なく聴ける作品だと思います。なおこの製作のために2014年のラウド・パークをドタキャンしているという、曰くつきの作品でもあります。

ダンテの新曲って聞いたことはあるにせよ詳しく知らなかったんですが、長編の抒情詩だということです。本作品は、この「神曲」のなかの3つの篇である「地獄篇」「煉獄篇」「天国篇」を参考にして作られています。

『神曲』(しんきょく、伊: La Divina Commedia)は、13世紀から14世紀にかけてのイタリアの詩人・政治家、ダンテ・アリギエーリの代表作である。 地獄篇、煉獄篇、天国篇の3部から成る[1]、全14,233行の韻文による長編叙事詩であり、聖なる数「3」を基調とした極めて均整のとれた構成から、しばしばゴシック様式の大聖堂にたとえられる。イタリア文学最大の古典とされ、世界文学史上でも極めて重きをなしている。当時の作品としては珍しく、ラテン語ではなくトスカーナ方言で書かれていることが特徴である。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E6%9B%B2

Symphony X(シンフォニー・エックス) 9thアルバム『UNDERWORLD(アンダーワールド)』(2015年)

<アルバム曲目>
01. Overture
02. Nevermore
03. Underworld
04. Without You
05. Kiss Of Fire
06. Charon
07. Hell And Back
08. In My Darkest Hour
09. Run With The Devil
10. Swansong
11. Legend

<リリース情報>
・リリース:2015年
・スタジオ:The Dungeon
・レーベル:Nuclear Blast、ビクター
・プロデュース・エンジニア:マイケル・ロメオ
・ミックス:イェンス・ボグレン(Jens Bogren)

<メンバー>
Vo:ラッセル・アレン(Russell Allen)
Gt:マイケル・ロメオ(Michael Romeo)
Key:マイケル・ピネーラ(Michael Pinnella)
Ba:マイケル・レポンド(Michael Lepond)
Dr:ジェイソン・ルロ(Jason Rullo)

個人的レビューとその他もろもろ

#01. Overture
壮大で荘厳な雰囲気のオープニング。これはダンテっぽい!ダンテ知らないんですけども。。。

#02. Nevermore
ゴリゴリのスピードチューン、マイケル・ロメオがギター弾きまくってます。リフがカッコいい、ソロもカッコいい、歌メロが弱めなのはこのバンドの特徴なのでしょうか。あと、ちょっとギターが長くてしつこい(いい意味で)。

#03. Underworld
タイトルチューン、こちらもギターとキーボードがキレキレです。でもあまりメロディーは印象に残らないです。

#04. Without You
この曲が初めに聴いて最も良かった曲です。凄くいい!歌詞も別れた男の女々しさ全開で共感できる!パワー・バラードでしてこれが彼らの本領発揮という訳ではなさそうですが。こういったメロディアスなバラード曲がもう一曲くらい有ったら良かった。

#05. Kiss Of Fire
これまたゴリゴリギター全開で、ヴォーカルも叫びまくっています。何かおじさんになってから、こういった系統の曲にあまり共感できなくなってきました。

#06. Charon
最近のヘヴィ寄りのドリーム・シアターぽい感じもある曲。ミドルテンポだけど、結構ここまででお腹いっぱいな感じで素直に聴けなくなってきました。やはり全体的に歌メロが弱いために、聴いていてダレて来る印象です。ギターは超凄いですが。

07. Hell And Back
イントロがカッコいい、そして続くリフも良い。ミドルテンポでボーカルも活きています。漸く落ち着いて聴けるサビ&超絶ギターソロという、僕が求めていた感じの曲です。9分を超える大作のため、曲展開が激しく、途中から激しさを増してきます。

#08.In My Darkest Hour
ザクザク系のリフから始まるメタルチューン。ボーカルの感じ悪くないが平坦な感じもします。ギターソロが素敵。

#09. Run With The Devil
変態ギターが最初から飛ばしまくってます。この人本当にギター好きなんだろうなと、あとやっぱリフがカッコいい。サビの後ろで聞こえるアルペジオなんかも含め、アナイアレイター(ANNIHILATOR)の曲っぽくて良い。

#10. Swansong
ピアノがメインの落ち着いた曲調、バラードではないけれど。ギターソロも美しい。

#11. Legend
最後にまた元気な曲を持ってきました。リフが印象的で、サビの疾走感やそのあとのベースとキーボードの感じなんかがDream Theaterぽさを感じたり、感じなかったり。聴き込んでくると楽器隊のソロ部分が楽しめる様になってきました。ホントに各自のテクニックが凄いですね。

まとめると、やはり歌メロが弱い曲はどうしても途中でダレて来る印象は否めなかったです。ギターキッズには最高のアルバムかも知れませんが、僕はもう少し歌にメロディアスな面を期待してしまいました。しかしながら、僕はこれがSymphony X初めてのアルバムでして、彼らの音楽スタイル自体がメロディを抑えながらギターはクラシカルにテクニカルにってのが有るのでしょうかね。それにしてもマイケル・ロメオをはじめ、楽器隊のテクニカルさはずば抜けていましたね。こんなバンドをちゃんと聴いてこなかったとは勿体ない事をしてました。

オフィシャルHP・リンクなど

■ オフィシャルHP

Symphony X Official Website
Official Symphony X band website
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