当時は問題作と評されたけれど、今聴いてみると全くもって問題なし。
『Awake(アウェイク)』はアメリカのプログレッシブ・ヘヴィメタルバンド「Dream Theater(ドリーム・シアター)」が1994年に発表した通算3作目に当たるスタジオアルバムです。
彼らは当時から前作の2ndアルバム「Images & Words」が名作すぎて、この3rdアルバムは問題作といわれ続けてきました。優秀なお兄ちゃんといつも比較される弟のような感じで、駄作だ迷作だともいわれる事もありました。
個人的には、ベースのジョン・マイアングの発言である「ポリッシュ(磨き)が足りなかった」という発言が全てだと思っています。つまりアルバム製作の中で、もう少し、あと一歩、曲の精度を向上できていれば、もう少し結果は異なっていたのではないかと言うことです。
ですのでこのアルバムはそこまで評価されなかったイマイチ残念なアルバムであり、また僕が歴代キーボードで一番好きなケヴィン・ムーアがこのアルバムを最後に脱退してしまうという2つの意味で残念なアルバムでした。
しかしながら今聞いてみると僕が好きな雰囲気をまとった曲もあり、悪くないアルバムだと思うんですけどね。
Dream Theater(ドリーム・シアター) 3rdアルバム『AWAKE(アウェイク)』(1994年)
<アルバム曲目>
01. 6:00
02. Caught in a Web
03. Innocence Faded
04. A Mind Beside Itself: I. Erotomania (インストゥルメンタル)
05. A Mind Beside Itself: II. Voices
06. A Mind Beside Itself: III. The Silent Man
07. The Mirror
08. Lie
09. Lifting Shadows Off a Dream
10. Scarred
11. Space-Dye Vest
<リリース情報>
・リリース:1994年
・スタジオ:One On One Studios (L.A.)、Devonshire Studios (L.A.)
・レーベル:イーストウェストジャパン
・プロデュース:John Purdell and Duane Baron
<メンバー>
Vo:ジェイムズ・ラブリエ
Gt:ジョン・ペトルーシ
Ba:ジョン・マイアング
Dr:マイク・ポートノイ
Key:ケヴィン・ムーア
アウェイク (ドリーム・シアターのアルバム) – Wikipedia
レビューその他もろもろ
本作はDream Theaterが1994年に発表した3rdアルバムになります。
大成功した前作「Images & Words」の後なだけあり、レーベル側の期待が大きいのはPVを見てもわかります。
全体として暗くメタル色の強い印象があり、前作よりもキャッチーさが減退したのは否めません。
発売当初にあまり受けなかった理由として、超名曲が無かったというのがあるんではないでしょうかね。
この『AWAKE』を語る上で欠かせないのは、
・2ndの大成功の後で作風に迷いあり
・ペトルーシが7弦ギターを使い始めた
・ケヴィン・ムーアが脱退した
ということです。
いやー、大成功した後の期待を思えば、それはどんなアルバム作るか迷いますよね。
それが7弦ギターに手を出した理由なのか分からないのですが、当時1994年は「korn」のデビュー年であり、メタルシーンでは7弦ギター流行の兆しがあったのかなと思う訳です。
7弦ギターは通常の6弦よりも弦が1本多く、低い音側に1弦多いので、音作り的にはやはりヘヴィさや重さが強調されます。
ですので「暗い」「重い」音作りになる訳です。
これがリスナーに受け入れられなかったのでしょうか、そこまで良い方向へ評価されなかったのか、残念な結果だった訳です。
恐らくみんな、当時は「Images & Words」パート2のような作風を期待していたのでしょう。
それに加え、このアルバム発表後にキーボードのケヴィン・ムーアが脱退するのですが、おそらくアルバム製作中から脱退に関する打診はあったはずで、そういった雰囲気の中で作ればギクシャクした暗い印象がアルバムに溶け込んでしまったのも否めないと思うのです。
ただし、#2、#3のようなさわやかな雰囲気も良い感じですし、暗く静かで美しい#9に心奪われます。
#11は音も歌詞もひたすら暗く、そんな曲でアルバムが終わるのかい!とツッコミたくなりますが、暗い性格の僕には合っていたのか、通学中にこの曲ばかりをひたすら聴き続けていました。
僕がケヴィン・ムーアを好きだったのは、ダークでスペーシーな音作りがドリーム・シアターの曲にマッチしていると感じていたからです。
ダークでスペーシー≒アーバンな感じだとも言えるのですが、あれがドリーム・シアターの雰囲気のひとつで良かったのに。。。
技術的な部分は今のメンバー(ジョーダン・ルーデス)より下かも知れませんが、とても魅力的なキーボードでした。
メンバーも模索と変化の中で製作し、当時は問題作アルバムという不名誉な形容のされ方もしました。
ですが、僕の中でも聞き込む内に「ポリッシュ」されていったようで、聴き初めた頃と比べて今ではどんどん好きなアルバムになっているという「スルメ系」アルバムですね。
本作品のオススメ曲
#03. Innocence Faded
#09. Lifting Shadows Off a Dream
オフィシャルHP・リンクなど
■ オフィシャルHP
■ 公式アカウント
コメント