GAMMA RAY(ガンマ・レイ) 1stアルバム『HEADING FOR TOMORROW』(1990年)

ジャーマンメタル

ハロウィン脱退後、カイ・ハンセンの目指した明日のビジョン。

『HEADING FOR TOMORROW』はドイツのヘヴィ・メタルバンド「GAMMA RAY(ガンマ・レイ)」が1990年に発表した1作目のスタジオアルバムです。
同郷のヘヴィ・メタルバンド「HELLOWEEN(ハロウィン)」の創設メンバーでヴォーカル・ギター担当(後にギターのみ担当)であったカイ・ハンセンは体調不良を理由にバンドを脱退します。その後音楽理論を学びなおすため、大学に入り後にメンバーとなるディルク(当時はダーク表記)・シュヒレターと出会いました。そこで意気投合した彼らは、新たにガンマ・レイというバンドを始めます。
当初はカイのソロプロジェクト的な意味合いが強かったのですが、後にバンドの形になり、メンバーチェンジを幾度としながらも現在に至っています。

GAMMA RAY(ガンマ・レイ) 1stアルバム『HEADING FOR TOMORROW』(1990年)

<アルバム曲目>
01. Welcome
02. Lust for Life
03. Heaven Can Wait
04. Space Eater
05. Money
06. The Silence
07. Hold Your Ground
08. Free Time
09. Heading for Tomorrow
10. Look at Yourself ユーライア・ヒープによる同名楽曲のカバー。
11.Mr. Outlaw 日本盤と2002年盤のボーナス・トラック。
11′. Lonesome Stranger – 4:58 2002年盤のボーナス・トラック。
12. Sail On – 4:24 2002年盤のボーナス・トラック。

<リリース情報>
リリース:1990年2月
スタジオ:ー
レーベル:Noise International
プロデュース:ピート・シールク

<メンバー>
 Vo:ラルフ・シーパース
 Gt:カイ・ハンセン
 Gt:ディルク・シュヒレター
 Ba:ウヴェ・ヴェッセル
 Dr:マティアス・ブルヒャルト

個人的レビューその他もろもろ  

僕がジャーマンメタルにはまったきっかけのバンドの1つである、「GAMMA RAY」。この1stに関してはリアルタイムに体験できていませんが、メタルファンはハロウィン時代に大活躍したカイの復帰を心から喜んだんだと思います。
本作はジャーマン・メタルど直球でありながらも、ポップ要素のあるサウンドが好きで今でもよく聴いてます。本家ハロウィンに比べると、QUEENに代表されるオペラ的要素、ドラマ性のある展開が強く感じられます。
カイはハロウィンを体調不良で脱退しましたが、当時のマネージメント、無理なツアー、メンバー間のエゴ、金銭問題、全米を見据えた方向性なども脱退の一因だと現在では発言しています。ハロウィンを脱退したカイが本当にやりたかった音楽が詰まった作品で、なかなかの力作。よく見るとプロデューサーは「ピート・シールク」ですね。
彼はハロウィンの初期メンバーの1人で、現「IRON SAVIOR(アイアン・セイヴィアー)」のギター兼ヴォーカルです。カイもピートも、お互いのアルバムに参加していることからも仲がいいことが伺えます。この時点で一緒にやってたんだなぁと改めて思いました。ヴォーカルは元「Tyran pace」のラルフ・シーパース、癖のあるハイトーンが気持ちいい。ハロウィンのマイケル・キスクのヴォーカルとは違った魅力で好きでした。現在はベーシストのディルク・シュヒレターもこの時はギターとして在籍しています。今ではすっかりガンマレイのベースって感じだけど、この時はカイと一緒にギターソロ弾いてたんだよなぁ、と感慨深い。
なお、2012年にリマスター版が発売された際にジャケットの変更がされています。僕としては青みがかったカイとラルフが遠くを見ている、この微妙な2人のジャケットがいい味出していたのに。。。

#01~#02は期待感のあるイントロからのメロディアスな疾走チューン。これは全メタラーに聴いて欲しい名曲です。ポジティブなメッセージの詰まった「Live Life Easy!」に心が揺れます。
#03、#04はガンマレイのポップな一面を表す曲。今でもライブで演奏するんで、カイもお気に入りなのではないでしょうか。
#05はカイとディルクの掛け合いヴォーカルが楽しいQUEENぽさのある曲。
#06は名曲であり壮大なバラード。曲展開が素晴らしく、最初の穏やかな曲調から段々とヘヴィな展開になっていき、美しいコーラスで終わっていきます。
#09はタイトル曲であり、14分以上もある長大な曲。重厚なコーラスから、ヘヴィでカッコいいギターリフで始まるこの曲は、ガンマレイを代表する曲の1つ。昔、日本のボクシング番組のテーマ曲(鬼塚選手だった気が)にもなっていた気がします。ちょっと残念なのは、途中のギター・インストパートが退屈なところ。14分以上もある曲なので、そのギターパートで気持ちが中折れして、盛り上った最初のテンションのまま最後まで聴けないのが残念な点ですね。
あとこの曲、QUEENの「The Prophet’s Song(預言者の歌)」を多分参考にしてると思います。どっちもいい曲ですが、サビのメロディーがよく似てるんですよ。

個人的オススメ曲

#02「Lust for Life」

#06「The Silence」

#09「Heading for Tomorrow」

▼ 元ネタっぽいQUEENの「The Prophet’s Song」

オフィシャルHP・リンクなど

■ オフィシャルHP

Official GammaRay Website
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ガンマ・レイ | ビクターエンタテインメント
ビクターエンタテインメントによるガンマ・レイ公式サイト。ガンマ・レイの最新情報、ライブ情報などを掲載。

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