HELLOWEEN(ハロウィン) 15thアルバム『MY GOD-GIVEN RIGHT(マイ・ゴッド・ギヴン・ライト)』(2015年)

ジャーマンメタル

元祖ジャーマン・メタル・バンドの底力を見よ。

『MY GOD-GIVEN RIGHT(マイ・ゴッド・ギヴン・ライト)』はドイツのヘヴィメタルバンドであるHELLOWEEN(ハロウィン)が2015年に発表した15枚目のアルバムです。

HELLOWEEN(ハロウィン)は「ジャーマン・メタル」の元祖であり、今年で活動30年周年のベテランHM/HR(ヘヴィ・メタル/ハード・ロック)バンドです。
日本でも人気の根強い「ジャーマン・メタル」という、HM/HRの中の1つのジャンルを確立したバンドで、現在の「メロディック・スピードメタル(通称:メロスピ)」系と呼ばれるバンドは総じて彼らの影響を受けていると思います。
その特徴としては、それまでのヘヴィメタルの中に皆で歌えるような「メロディック」かつ疾走感を伴う「スピーディー」な要素を盛り込んだスタイルで、時にはポップでハッピーな雰囲気すら漂うような曲もあったりします。
だからこれまでのHM/HRに比べて取っ付き易く、加えて彼らのルックスも手伝って女性を含めた幅広いファン層に支持されてきました。
特にハロウィンに代表されるドイツのメタルバンドは、日本人が好みそうなマイナースケールを多用した叙情的なメロディーラインが多く、古くは80年代後半、「Keeper Of The Seven Keys Part1、Part2(邦題:守護神伝)」でここ日本でも爆発的な人気を博しました。
その後、雨後の竹の子のようにハロウィン・フォロワーなバンドが幾つも現れては消え、当時から現在に残るものは数少ないという現状があります。
そう考えるとパイオニアであり現在でも同ジャンルを牽引し続けている彼らの功績は非常に素晴らしいことだと思うのです。
HM/HRジャンルは息が長く、60代で現役のバンドもあったりするけれど、彼らもこのままそうなって欲しいと願っています。

HELLOWEEN 15thアルバム『MY GOD-GIVEN RIGHT』(2015年)

▲ 3D特殊パッケージは写真に撮りづらい。

本アルバムの特典として変なバンダナが付いていたけど、これどこで付けろと言うのだろう。。。
このアルバムタイトルは、直訳すると「神に与えられし権利」となり、「何かをするために与えられた然るべき権利」という意味らしい。
誰しもが人生でやりたい事をして好きに生きる自由という権利を持っているんだという、ハロウィンの強いメッセージがこのタイトルの由来です。

<アルバム曲目>
01. Heroes
02. Battle’s Won
03. My God-Given Right
04. Stay Crazy
05. Lost In America
06. Russian Roule
07. The Swing Of A Fallen World
08. Like Everybody Else
09. Creatures In Heaven
10. If God Loves Rock ‘n’ Roll
11. Living On The Edge
12. Claws
13. You, Still Of War
14. I Wish I Were There【BONUS TRACK】
15. Wicked Game【BONUS TRACK】
16. Free World【BONUS TRACK】

<メンバー>
アンディ・デリス(ヴォーカル): Andreas “Andi” Deris – (Vo)
マイケル・ヴァイカート(ギター): Michael Ingo Joachim Weikath – (G)
サシャ・ゲルストナー(ギター): Sascha Gerstner – (G)
マーカス・グロスコフ(ベース): Markus Grosskopf – (B)
ダニ・ルブレ(ドラム): Daniel “Dani” Loeble – (Ds)
マイ・ゴッド・ギヴン・ライト – Wikipedia

個人的レビュー・その他もろもろ

1.往年のハロウィンサウンド、だけれど物足りなさも感じる
今回のアルバムは全編通してハロウィン・サウンドで占められている。曲は4分程度のものが大半で、ヘヴィでメロディックで少しポップなサウンドだ。聴き始めた1曲目~3曲目までは確かにいい感じだと思った。しかし全体的に小粒感があって途中でだらけてくる。これはかつての名曲「POWER」のようなキラーチューンが無いからだろう。
こういう基本に立ち返ったようなアルバムは往年のファンには嬉しい反面、どうしても名作と比べられがちだ。30年も活動しているし、過去の作品と比較されるのは仕方ないことだろう。メンバーも50代だし、才能の枯渇やフレーズの使い回しもあるだろう。それでも新譜を聴くとき、イントロが流れた瞬間にガッツポーズを取るような、そんなパワフルな名曲を再び作って欲しいと願ってしまうのだ。

2.アンディ・デリスが太り気味?
3曲目のタイトル・トラックである「MY GOD-GIVEN RIGHT」のPVを見ると、体が重いのかアンディ・デリス(V)があまり動いていない。
なんだかアンディ・デリスが太った気がする。
いや、結構前からそれは指摘されていたけれど。
加入当時はなんとも甘い雰囲気のイケメンだったのに、今ではずっしりとしたオバちゃんのような雰囲気になってしまった。。。
あの頃から見た目が変わらないヴァイキー(G)は今回も寡黙にギターを弾いているというのに。

3.バンドとしての安定感がある
オリジナルメンバーであるマイケル・ヴァイカート(G)とマーカス・グロスコフ(B)、そしてマイケル・キスクという最強のヴォーカルの後任という重圧を撥ね退け、ハロウィン第3期の顔となったアンディ・デリス(V)。
彼らの3人のバランスがとても良く、バンド内の雰囲気も落ち着いているのだろうなと感じさせる。
また若く才能溢れるもう一人のギター、サシャ・ゲルストナー(G)、新ドラムのダニ・ルブレ(Ds)もきっちりとアルバムに貢献している。
個人的にメンバー・チェンジは好きじゃないのでこのまま続けて欲しいと思っている。
そしてもう一度、名盤と呼ばれる作品を作ってもらいたいものです。 

個人的オススメ曲

#03. My God-Given Right
展開にちょっくら名曲「POWER」の焼き直し感はあるものの、イイ感じのメロディがあって僕は好きです。PVも意外とお金掛かってる様子だし、力入れてますね

#12. Claws
イントロのリフがヘヴィでゴリゴリ攻めた一曲。アンディの声は時折辛そうだけど、頑張ってる。

オフィシャルHP・リンクなど

■ オフィシャルHP

HELLOWEEN OFFICIAL
Offical website from the legendary German Metal Band Helloween
ハロウィン | プロフィール | ビクターエンタテインメント
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