至るところに見え隠れする「8」をコンセプトとした個人的最高傑作。
『Octavarium(オクタヴァリウム)』はアメリカのプログレッシブ・ヘヴィ・メタルバンドDream Theater(ドリーム・シアター)が2006年に発表した通算8作目(ミニアルバム除く)に当たるスタジオアルバムです。
本作品は通算8作目である事から、楽曲からジャケットの至る所に「オクターブ:8音階」を意識させた作りになっています。楽曲も全8曲であり、アルバムタイトルも「オクターブ」を由来としたものになっています。
Dream Theater 8thアルバム『Octavarium(オクタヴァリウム)』(2006年)
<アルバム曲目>
01. The Root of All Evil
VI. Ready VII. Remove
02. The Answer Lies Within
03. These Walls
04. I Walk Beside You
05. Panic Attack
06. Never Enough
07. Sacrificed Sons
08. Octavarium
I. Someone Like Him II. Medicate (Awakening)
III. Full Circle IV. Intervals V. Razor’s Edge
<リリース情報>
リリース:2005年6月
スタジオ:ザ・ヒット・ファクトリー
レーベル:アトランティック・レコード
プロデュース:マイク・ポートノイ、ジョン・ペトルーシ
<メンバー>
Vo:ジェイムズ・ラブリエ
Gt:ジョン・ペトルーシ
Ba:ジョン・マイアング
Key:ジョーダン・ルーデス
Dr:マイク・ポートノイ
オクタヴァリウム – Wikipedia
個人的レビュー・その他もろもろ
1.個人的最高傑作の本作
学生時代から今に至るまで死ぬほど聴きまくった、ドリーム・シアターの中でも個人的最高傑作が本作『Octavarium』です。ギターのジョン・ペトルーシも本作をお気に入りと語る事からも分かるように、メンバーとっても手応えのある作品だったのではないでしょうか。
楽曲のバランスの良さが際立ち、アルバムを通して聴いても飽きずに楽しむことが出来ます。前作7th「Train Of Thought」に比べるとポップさ、プログレッシブロックの影響が目立ちます。それでもメタルな曲もいい塩梅で入ってるんですけどもね。タイトルトラックなんてピンクフロイド的な雰囲気があるし、U2っぽいポップさの有る曲もある。肩ひじ張らずに聴けるんだけど、深くマニアックに聴く事にも耐えうる、良質なアルバムって感じですね。
2.至る所に隠された「8」(と5)のオマージュが楽しい
5thアルバム「Metropolis Pt. 2: Scenes from a Memory」のように、楽曲が一連のストーリーに従って進むコンセプトアルバムでは無いですが、このアルバムの至る所に隠されている「オクターブ:8音階(と5つの半音)」(1オクターブを鍵盤で見ると、白が8つ、黒が5つ)にこだわったコンセプト作りには感服するしかないです。ジャケットアートワークの至る所に潜む、「8」「5」のモチーフは見る度に発見があって楽しいです。
例えばアルバムに描かれているふり子は「8つ」並んでおり、その間に鳥が「5羽」飛んでいるのは、ピアノ鍵盤「白」と「黒」を意味していると言えます。またアルバムの1曲目から8曲目の順に曲がF(ヘ短調)・G(ト短調)・A・・・Fと短音階で構成されているらしいです。僕は音楽の知識が無いので、そういう事が分かる人は聴いていても発見があって楽しいだろうなと思いました。しかも本作1曲目のイントロの音は、前作7th「Train of Thought」の7曲目(最後)の音から始まっているという凝りよう。こういうマニアックな発見が楽しめる仕掛けって、彼らの最近のアルバムでは見かけないように思います。楽曲を聴くだけでなく、ブックレットを見るのも楽しめるのって、ダウンロードじゃできない、アナログ世代の特権なんだろうなぁと思ったりしました。
個人的オススメ曲
#01. The Root of All Evil
これまでのアルバム中でも数曲発表されている、「アルコール依存プログラム12のステップ」を題材とした曲。ヘヴィでストレートなメタルソングなので聴きやすく、アルバムの1曲目としての掴みにもなっています。そこまでスピード感があるわけじゃないけれど、グルーブ感とダークさのあるリフが心地よい。
#03. These Walls
ダークで無機質な雰囲気のイントロから始まり、それに相反するように抒情的でメロディアスな歌メロへと続くミドルテンポの曲。ギターソロも素晴らしいです。
#04. I Walk Beside You
ポップさ全開のメロディアスハードロックの雰囲気を醸し出す、清々しさを感じるU2ライクな曲。サビにかけて段々と盛り上がるボーカルのテンションがこちらにも伝わってくる、プログレ・ポップな一曲。
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