オカルト、考古学、ミステリーが好きなら絶対楽しめるぞ
岩明均先生といえば、映画化された「寄生獣」が有名ですが、先生の作品で一つ選べといわれたら苦しみながらもこの『七夕の国』を挙げます。
連載中の「ヒストリエ」もめっちゃお勧めですけども。
この作品は「寄生獣」が終わった後に書かれたもの。
「寄生獣」自体は漫画好きの同級生がタイムリーに読んでいてお勧めされて読むようになりました。
そしてこの『七夕の国』が連載される頃には進学して彼とも分かれてしまい、リアルタイムで読んでいた作品ではないのですが、大学に進学してから改めて読んで非常に面白かった作品なのです。
一気に読み進んでしまう摩訶不思議な『七夕の国』
本作品は大学四年で就職活動中の南丸洋二(みなみまる ようじ)が主人公です。
彼は物質に小さな穴を空けられるという「微妙な」能力を持っており、大学の教授である丸神正美も似たような能力を持っていることが分かります。
彼らは同郷の出身でありその地で殺人事件が発生するのですが、その現場では「何かで」丸くくり貫かれた様な跡が見られたのです。
丸神教授は原因を解明するため、その地へ向かうのですが・・・というところから始まるお話。
七夕の国
『七夕の国』(たなばたのくに)は、岩明均による超能力とミステリーを取り込んだ伝奇SF漫画。『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)に、1996年第38号から1999年第6号にかけて不定期連載された。
1997年から1999年にビッグコミックス(小学館)より全4巻が刊行され、2003年に同社より上下2巻の「完全版」が刊行されている。物語
大学サークル「新技能研究会」部長である南丸は、「あらゆるものに小さな穴を空ける」というあまり役に立たない超能力を持っている。彼の祖父も同じ能力を有していた。
ある時、大学の教授・丸神正美も似たような能力を持っていたことがわかる。それも、南丸の空けるアイスピックで刺したような小さなものではなく、卵ぐらいの大きさの穴がえぐりとられた様々なものが残されていた。
南丸家と丸神家のルーツである「丸神の里」と呼ばれている丸川町にて、不可思議な殺人事件が起きる。報道によれば、被害者の死体は、頭部の半分がまるで巨大なスプーンですくいとったように滑らかにえぐり取られていたという。自分の能力や失踪した丸神教授に関係があるのか、南丸はゼミのグループと共に、調査のため丸神の里へと向かう。
ここまでの説明だと、難解な話のようで読むのを躊躇される方もいるかも知れませんが、読みやすく非常に面白いのでただただ読んで欲しいです。
寄生獣がハマった人ならばきっと好きでしょう。
ストーリー的ネタバレを防ぐために全部読んだ人としか内容について語れないという残念さはあるのですが。。。
この漫画のココがオススメ!&注意!
1.奇想天外&完成度の高いストーリー性
よくまあこんなしっかりとした設定が作れるなぁと感じました。
先生は歴史とかオカルトとか好きなのでしょうね。
横溝正史の雰囲気って言うか、昔の日本の家系や血筋の繋がりから来る役割、しきたりやらの不自由さみたいなものを感じました。
ラストまで何とか複線も回収しながら、ストーリーも破綻することなく書き上げています。
2.大学、研究室の雰囲気がよさげ
大学のモラトリアムな雰囲気とか、研究室や教授とかの日常っぽい雰囲気が好きなので、この漫画を読んで自分の過去にタイムスリップできるのが良い。
あと主人公の南丸がどこにでも居るようなフツメンなところがいいんですよ。
イケメン主人公にはあまり感情移入できないんですよね。
最初は間の抜けたような顔なのに、どんどん良い顔になっていくところに注目しましょう。
3.グロイ表現も多々ある
グロ系が駄目なヒトは厳しいかも知れません。
そこまでのグロではないですが、血が出たり何かはするんで。
4.蛇足ですが。。。
僕はプログレッシブ・ロックというジャンルの音楽が好きなのですが、その中に「イエス」「エイジア」という英国のバンドがあります。
そこのギタリストでスティーブ・ハウという方がいるのです。
この人、作中出てくるヒトに似てるなぁと思いながら読んでいました。
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