とある会社に就職して10年弱になる
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就職してから今まで、一度もこの会社でよかったと心底思ったことが無い。
確かにある瞬間々々では、やりがいを感じたり、喜びを見出した事は何度もある。
会社側からしたら、それは大変失礼な話しかもしれないけれど、本当にそう思うのだ。
勿論給料を貰えるから今の生活が成り立っている事も重々承知している。
そして給料を貰う以上責任を持って仕事をしているつもりだ。
偉そうなことを言ったけれど、だからと言って辞めるって決断が出来ない自分も居たりして、その辺の葛藤や悩みなんかがここ数年どんどん強くなっている。
そんな僕だけど、それでも就職していて良かったと思えることがあった。
彼女の両親と合うとき
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ちょっとしたきっかけで親御さんとご飯を食べる機会があった。
別に畏まった話をする場では無かったけれど、初めての対面だった。
そういう時、彼女の父親との共通の話題は少ない。
それも初めて会う場合なんかは、ものの10分くらいで共通の話題なんか尽きてしまう。
余談だけど、こういうとき母親と娘がどうでもいい話を良くするタイプで救われた。
だからその後は僕がどんな人物なのか知るため、どんな会社でどんな仕事をしているのかが話題になってくる。
ということで、僕はちゃんと働いていて「セーフ」だったと強く感じた
今でも働く理由なんて有るのか分からないけれど、お金稼いで完全に自立出来ることと、彼女の親に安心してもらえるって事だけでも理由でいいのかなと思った。
もしフリーランスで働いていたとして、口がうまくない自分が相手の親御さん(特に父親)を安心させるようなアピールやプレゼンが出来るだろうか?と考える。
付き合っている彼女だったら僕の性格や長所・短所は分かってくれている事だろう。
でも、親御さんが初めて会った殆ど情報の無い男の事を判断するのは、彼の生きてきたこれまでの価値観に基づいたベタな情報になってくる。
団塊の世代は今よりもずっと、同じ会社で定年まで働くことを良しとした時代の人たちだ。
そして年功序列の縛りが強く、辞めずに働いていれば給料もしっかりと上がっていた時代の人たちだ。
だから娘を幸せに出来る人物かどうか、そこの判断は「真面目に働いているか」どうかが重要なファクターであり、そのモノサシは会社の規模だったり、出身大学だったり、会社員であることだったりするのは仕方ない事だと思う。
親の時代と僕らを比べると、価値観や雇用スタイル、将来の見通しに対する認識も異なる部分が多いので異論や反論もある。
だけどそれは仕方の無いことだとも思っている。
僕だって娘を持つ親の立場なら、とても素敵な夢を持っているが働いていない若者よりは、堅実に就職している方が絶対に安心するだろう。
それは普遍的な、親心というものなのかも知れない。
だけどもこのままでいいのかと悩む自分もいる
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ブログを始めた1つの理由は、就職して会社員という立場以外の選択肢を増やせるのではないだろうかと思ったことがある。
勿論楽しそうだから初めて、今も楽しいからやっているし続いているのだけれど。
だからブログをやりながら、仕事(経済活動)の可能性や選択肢を増やしたいし、人生にとって新たな楽しみを見出したいし、大きく言えば現状を飛び出したいという願望を持っている。
そして僕は現在、ブログ以外にもプライベートがあって、それも並行して充実させたいと思っている。
でもブログに関わらないプライベートについては、堅気の状態である方がうまくいく事も多い。
上述の事柄以外でも、例えばクレジットカード、引っ越しなどの社会的信用が必要な場合、とても簡単に事が運ぶ。
僕がブログによって新たな可能性や楽しみを見出したいのは、今の会社員である身が楽しく感じられないし不安だからだ。
このまま40歳、50歳になって、「やっぱりこうしておけば…」と思っても身動き取れなくなるのが怖いからだ。
そのときに後悔したくないし、今のうちに選択肢を増やして安心したいのだ。
対して、僕が堅気であることで得られるのは、ある意味無根拠な、相手側からの社会的信頼だと思う。
それは相手側も同じく、安心したいという思いがあるからだろう。
僕も相手側も、どちらも不安を抱えているが故の行動なのだなと感じた。
多分、不安を打ち消すための行動をしても、次の不安が現れる堂々巡りな気がしている。
それを打破するには、最近周りのブロガーさんがよく言われている「やり方」だけではなく「あり方」をどうするかといった内面の問題に関わる部分だと思う。
僕は全くもって詳しくないので、どういった行動が必要なのか分からない。
元来、不安や悩みやすいタイプの人間なので、楽しい出来事の渦中でもいつも疑いながら生きてきた。
そうやってこれからも生きていくのはあまり宜しくない気がしている。
ウチの家系は男性の場合40代・50代のメンタルが低下する傾向があるからだ。
ぼんやりとだけれど、自分が目指したい自分が見えたような、遠ざかったような、そんなある日の午後だった。
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