ジョニー・デップのナイーブさとディカプリオの演技が素晴らしいヒューマンドラマの傑作。
若き日のジョニー・デップとレオナルド・ディカプリオが出演していながら、意外に認知度が低いこの映画。
僕は非常に好きで、好きな映画ベスト5を挙げるときは必ず入れるのですが、この映画について話したいのにあまり知っている人が居なくて寂しい映画でもあります。僕は基本的に悩める青春系の映画が好きなんですが、大抵同年代のアラサー、アラフォー男性はそういう感覚を卒業してしまっている方が多いので、ベスト5に選ばれないのでしょうか。
他の出演者も有名な方でいうとジュリエット・ルイスなんか出てるので、もっと有名でもいい映画だとずっと思っているのですが。。。
しかもみんな若い!ジョニー・デップはずっと見た目若いですが、当時19歳だというディカプリオの若さと身体の細さには目を見張ります。
家族の問題に縛られ、田舎で燻ったままの青年の苦悩を演じるジョニー・デップの淡々とした演技、そして知的障害のある弟を演じたディカプリオの演技が凄すぎます。
決して明るくハッピーな物語ではないですが、何度観ても清々しく優しい気持ちになれるエンディングが好きです。
※以下、多少のネタばれありです。
ジョニー・デップ主演『ギルバード・グレイプ』(1993年)
<監督・キャストなど>
映画『ギルバート・グレイプ』
監督:ラッセ・ハルストレム
脚本:ピーター・ヘッジズ
出演:ジョニー・デップ、ジュリエット・ルイス、メアリー・スティーンバージェン、レオナルド・ディカプリオ、ダーレン・ケイツ、ローラ・ハリントン、メアリー・ケイト・シェルハート、ジョン・C・ライリー、クリスピン・グローヴァー、ケヴィン・タイ
ストーリー
ギルバートは、食料品店で働きながら重い知的障害を持つ弟アーニー、夫の自殺から7年間も家から出たことがない肥満で過食症の母ボニー、そして2人の姉妹たちとの生活を支える。アイオワ州の小さな町を生まれてから一度も出たことがないギルバートは、家族を置いて自分だけ町を出るわけにも行かず悶々としながら日々を送る。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AE%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%97
ちょっとネタバレな感想などなど
1.ジョニー・デップ演じるギルバートの苦悩が生々しい
アメリカの片田舎に住み、超肥満の母と知的障害の弟、妹を含めて5人家族の大黒柱として身動きが取れず、現在も未来も期待できないまま生きるギルバートの苦悩を淡々と演じるジョニデが素晴らしい。
優しさ故に全てを投げ出すことが出来ず、いつまでも昨日の続きで生きている。
特に未来にも期待せず生きている中で、ジュリエット・ルイス演じるベッキーが現れることで、世界に一筋の光が差し込む。
つい自分もギルバートに照らし合わせて観てしまい、行き場のない状況に悶々としながら見てしまいます。
2.ディカプリオの演技がリアルすぎて圧倒される
1993年製作の本作品は、1997年の「タイタニック」から遡ること4年前になります。僕自身は「タイタニック」を見ていないのですが、あんな一躍有名になる前からこんなすごい演技をしているのが凄い。ああいうラブストーリー系よりコッチ系の演技の方が全然いいって思います。
3.アメリカの田舎の閉塞感
アメリカは都会の華やかな雰囲気よりも、めっちゃ田舎の閉塞感みたいなモノが好きなんですよね。こんな町に居たら一生このままここから出ることも出来ず、でも家族を捨てることも出来ず、、、これって思春期に思う感覚に似てませんかね?僕が最初に観た高校生の時も、ギルバートの気持ちを理解できたのはそれが理由かなと思うんですよね。いまだにたまに観ては共感しているって事は、今でも思春期真っただ中なのかもしれませんけども。
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