大槻ケンヂ著『サブカルで食う』(2017年)

書籍

才能が無くとも食ってくには、何がともあれ継続が大事ってこと。

本書は筋肉少女帯のヴォーカルであり、随筆家、エッセイストである大槻ケンヂ氏(以下、オーケン)によるエッセイ。エッセイというか、オーケンのインタビューをライターさんが書き下ろしたモノで本人は「語り下ろし」と呼んでいます。2012年に発行されたモノにに加筆修正したものがこちらの『サブカルで食う』です。

この本のサブタイトルは「就職せず好きなことだけやって生きてく方法」とあります。彼自身の代名詞でもある「サブカル」という分野で、なんか知らんけどずっと活動してるなって感じの人になる為の方法のようです。自分の好きなマイナーな分野で、大成功しなくとも諦めずに継続できるノウハウを伝授しているというか、勿論大成功したらそれは超嬉しい事だけど、そうじゃなくても好きな事を続けていけるためのノウハウと言いますか。
超有名人とか第一人者とかタワマン住んで大成功みたいな人物になる為の本じゃなくて、それなりにずっとその分野に居続けて、大小の波はあれど、ここまでやってきたノウハウというか、
本人がどのようにしてこれまで活動してきたかって事を、これからそうやって生きていきたい少年少女(ここではサブルくん、サブルちゃんと称しています)に向けてアドバイスをしながら、いつも通りののほほんとした文章で書いています。

※以後ネタバレを含みますのでご注意ください

大槻ケンヂ著『サブカルで食う』(2017年)

著者:大槻ケンヂ
発行年:2017年
出版社:株式会社KADOKAWA
ジャンル:語り下ろし(著者がインタビューに答えたものを、ライターがまとめたもの)

あらすじ・概要

「ロックバンドにアニソンシンガー、作詞、小説に、コラムニスト、テレビタレント、ラジオパーソナリティ、トークイベント、映画原作、舞台原作、映画出演、その他……好きなことだけをやって何とかかんとか食ってきた46年間でした。」と本文の冒頭で綴る大槻ケンヂ氏。小学生のころからの自分を振り返りつつ、サブカルチャーとの出会いからを丁寧に綴った本書。巻末に収録した、本や音楽、映画情報など、サブカルチャーの歴史が分かる貴重なデータでもある。

個人的な感想など。。。

1.とにもかくにも「才能」「運」「継続」
この本でオーケンが言いたいのは、サブカルで食ってく為には「才能」「運」「継続」が大事だという事です。全てが重要というより、これらの要素をゲットできると、食ってく事くらいは出来ると言っています。

僕も大成せずアラフォー世代になって感じるのですが、世に出る人はこのどれかが備わっていると感じます。「才能」のある人達は、比較的早い段階で世に出てきますよね。アーティイストとして20代直ぐに栄光を掴むとか、学生で起業して時代の寵児となったりする人なんかがここに入るのかなと。
そして才能の塊じゃ無くても、どこかのタイミングで「運」を掴んで頭角を現す人も居ますね。「運」ってのは、時代の風潮とか流行とか、本人にコントロール出来ない思いがけない瞬間なのかなと思ってます。だけどそれを掴むのは、やはり掴む準備が出来ていた人でもあると思います。掴む準備とは、才能のカケラだったり、継続する事で鍛えられた実力だったりすると思うのです。
最後に、それらが無い、僕のような一般人にでもできる事として、彼は「継続」する事を挙げています。

2.才能と運の無い奴らは継続するのみ
「継続」だけは才能や運(=ラッキー)が無くても続けることが出来る、ある意味誰でもできる事だと述べています。そして、だからこそ好きな事を継続していこうよという事を述べています。
だからこそ、継続に必要な「好き」を見つける作業を怠らず、試行錯誤しながら明確にしていくしか無いのですかね。
よく「継続できるのも才能だ」って声があります、僕もそう思うこともあります。ただ僕が最近もっと感じるのは、「超好きなこと」をまず見つけて、それを本気で一生かけて「継続」しなくてはならないという考えは必要は無いということです。「少し好き」「何となく気になる」程度でも、それに手を出してみる事が大事なのかなと。最初は案外つまらないかもしれない、時間もお金も掛かっちゃうかもしれない、でもやってみる。しばらくやってみて、どうにもダメそうなら諦める。そのくらいのフットワークの軽さで手を出して、中途半端になっても良いんじゃ無いかなと思ってます。

3.これって何に関しても言える事
サブカルで食っていくということ以外でも、仕事でも人生でも、この3つのキーワードからは避けられないよなって感じました。
特に40代になると、基本的には「才能」は無いと気付きますし、「運」は運なので巡り合えばラッキーだと期待しなくなります。そうなると結果やはり「継続」というキーワードが唯一残るのだと感じています。
そして継続の中に、もしかしたら僅かな才能が見え隠れするかもしれないし、運と巡り合うかもしれない。
たらればになってしまいますが、結局は継続しか自分の意志で選択できない。そして継続の中で、自分なりの勝ちパターンを見つけたり、工夫を重ねることで多少の向上があるかもしれない。全然別の分野が好きだと分かるかもしれない。でも恐らく全く陽の目を見ないかもしれない、むしろそっちの方が多いだろう。
だからこそ、報われなくても自己満でも続ける事が出来る「好きな事」を探すしか無い。そしてそれに必要なのは、自分で動く事、そして一旦それを続けてみる事、そこでダメなら軌道修正してみる事、その辺につきるのではないでしょうか。
僕ももう少しブログを書いてみることとします。

以上、良かったら参考にしてみてください。

オフィシャルHP・リンクなど

■ オフィシャルHP

オーケン企画
大槻ケンヂのオフィシャルサイト

■ 公式アカウント

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